「食育体験プログラム:生産〜流通〜消費〜廃棄」
実施団体:仙台いぐね研究会
1企画準備
(1) 活動の概要を知らせるパンフ・テキストの作成
「野菜と生ごみ・堆肥のつながりを考える」のテーマは、すぐに小学生や市民にイメージされるプログラムではないので、事前にどんなことを行なう活動なのか?また、この活動の持っている意味について事前に理解させる情報提供が重要になる。
そのため、この活動についてのパンフ(資料1)やテキスト(現在製作中)の作成が課題となる。また、小学生や教員への情報提供の手段として、HPも有効である。現在仙台いぐね研究会では、HPを持っているが、このプロジェクトについても活動の紹介が課題となっている。
(2) 活動の運営について
- 4時間のプログラムを実施する上で重要なのは、活動内容の運営である。このプログラムは、活動を進めるコーディネーター(学生)と活動機会を提供する合同市(朝市・夕市ネットワーク)の生産者、生ごみリサイクルの体験を指導する仙台生ごみリサイクルネットワーク、さらに参加する小学校の引率教官との打ち合わせが重要になる。また、このプログラムは、実際にお客さんを相手に農産物を販売している合同市を体験させるので、生産者の販売の邪魔にならないように時間設定に留意する。(このプログラムでは、合同市が始まり常連客が集中する10:00〜12:00は、生産者へのヒアリングや販売体験は控えるように工夫している)
- コーデネイターは、事前に当日のタイム・テーブルを作り、コーデイネーター間の役割分担、生産者への事前連絡(ヒアリングや販売体験を行なう場合は、協力生産者を選定し、事前に説明しておく)。使用する道具の確認を行なう。
○タイムテーブル表の事例
| 時間 |
活動内容 |
担当者
(責任者は○) |
事前連絡(担当者) |
道具・記録 |
| 10:00 |
開校式の場所に誘導 |
○佐々木、
泉山 |
・引率担任へ集合場所を連絡(櫻岡) |
集合場所を示すプログラムの看板用意 |
| 10:05 |
開校式 |
○櫻岡 |
・あいさつ・ガイダンス担当の確認・連絡(櫻岡) |
記録用の録音
(福澤)
記録用の写真
(佐々木) |
| 10:15 |
販売観察 |
○櫻岡 |
・担任に任せる |
記録用の写真
(佐々木)
子どもたちの活動の
観察
(中里・藤村) |
- 販売体験を実施するブースの生産者には、このプログラムについてパンフやテキストを使って事前に打ち合わせをして、指導内容や販売体験上の留意点について十分説明しておく。
- このプログラムの大きな特徴は、前述したように複数の活動団体との連携でプログラムをつくるところにある。そのため毎月1回程度の事前打ち合わせを行い、各団体との意思疎通を常に図ることが大切である。
- また、屋外の活動であるため、雨天の場合(合同市は雨天でも実施する)の小学生の活動場所を事前に確保しておくこと、天候の都合で合同市が中止になる場合は、緊急連絡で小学校に連絡する体制をとっておく。
(3) ワークシートの作成
買い物調査やヒアリング調査に使用するワークシートは、資料2のように記録しやすいようなものを作成する。合同市は、季節によって販売品目や参加する生産者も変更するので、ワークシートにはその時期の特色を説明しておく。
(4) 参加者の事前学習について
この活動プログラムへの参加者は、事前学習が重要になっている。小学生の場合は、このプログラムに参加する前に授業で事前学習されることが望ましい。以下の授業実践例は、2004年9月に実施した小牛田小学校小野寺学級(6年)の事例である(ただし学年によって事前学習の進め方は異なってくる)
○事前学習の事例
新聞に入ってくる「広告」(食料品)を持ってきて、4人一組でグループを作り、その中から10品、買い物をすることにした。買う物は、魚、果物、野菜、そして肉。その時に、自分が食べたいものだけでなく、家族のことを考えて買うこと。だいたい今週中に食べるものの目安にして買うことにした。ただし、産地がはっきりと分かるものを選ぶこと。そして選んだ後に、宮城県産は1点、宮城県以外の東北産は2点、それ以外の国内産は3点、外国産は5点として、点数化することにした。
小:では、はじめてください。
子:先生、点数は多い方がいいの。少ない方がいいの。
小:それは、どうかな。あとで考えてみましょう。
子:金額はいいんですか。
小:それは気にしないでください。
小:さて、終わった人は、合計点を出してみてく ださい。
子:僕は、10点だった。
小:それって、
子:宮城県産にこだわったんです。
子:僕は、50点です。
小:ということは、点数を2倍にすると100点だから、満点だね。
子:やっぱり、点数が多い方がいいのかな。
小:ちょっと考えてみましょうか。点数が多いと言うことは、宮城県からはなれているところの物が多いと言うことですね。そこから、みんなの所まで運んでくるだけど、運ぶのはただかな。そうじゃないよね。運ぶのに、ガソリン代とかがかかりますよね。これが外国になると、輸送費がもっとかかるということだよね。でも、それだけで、どっちがいいかは決められないけどね。また次の時間に考えてみましょう。
- ○結果
- 10点〜15点(1人) 16点〜20点(2人) 21点〜25点(7人) 26点〜30点(7人) 31点〜35点(12人)
36点〜40点(7人) 41点〜45点(0人) 46点〜50点(1人)
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2プログラム実施
(1) 受付
当日プログラム・販売体験のグループ分け名簿・ワークシートなどの配布
(2) ガイダンス
- コーディネーターの学生たちの自己紹介(学生たちは名札をつけて、会場内ですぐにわかり、子どもたちが見つけられるようにしておく)、生産者の代表、生ゴミ堆肥の専門家の自己紹介を行なう。
- 当日のプログラムの進め方を説明する。
- 担任の先生からもあいさつしてもらう(子どもたちに会場から離れないことを指示してもらう。(会場周辺は交通量の多い道路であるため。子どもの安全に留意する)
(3) 農産物販売観察 (買い物調査)
- 5人ぐらいのグループに分かれて、ワークシートをもって買い物調査を行なう。
- まず、合同市全体の様子を確認できるようにワークシートの地図づくりを行なう。各ブースでどんなものを売っているか確認させる。農産物の種類にも注目させる(ヒアリングや農産物販売体験の際の疑問が生まれるように、しっかり観察させるように注意する〜各グループにコーデイネイターが付き添って、必要に応じて、観察を指導する)
- 子どもたちに買い物をさせる。買いものを通じて、農産物の値段や同じ農産物でもちがうブースで売っていることを確認させて、売り方の違いや価格の違いについて気づかせる。合同市では、生鮮農産物だけでなく加工品も売っているので加工品の作り方などについても感心を持たせる。
- 農産物の種類をよく観察させて、調査時期の季節と農産物の種類についての関係に気づかせる。
- ブースには、農産物の栽培方法についての説明パネルが設置してあるところもあるので、農産物の栽培方法にも違いがあることを気づかせる。
○気づきの機会提供(買い物調査)
| 番号 |
気づかせる内容 |
気づきの機会 |
事前準備 |
| 1 |
農産物の種類(種類の多さ)と名前 |
各ブースでの商品陳列や生産者とお客との会話 |
商品名の名札の設置 会話にも注意することをガイダンスしておく。 |
| 2 |
農産物の季節性 |
1番多い農産物を見つける(ワークシート作業) |
ヒントは、ワークシートに説明しておく |
| 3 |
農産物の価格の違い |
各ブースでの商品陳列や生産者とお客との会話 |
値札表の設置(ないところある) |
| 4 |
農産物の栽培方法 |
各ブースでの栽培方法パネル |
生産者との了解を得て各ブースに小学生でもわかる統一規格のパネル展示を行なう |
(4) 生ごみ堆肥作りの体験学習
生ゴミ堆肥の作り方を、専門家から教えてもらい、体験する。時間配分や講師の都合で以下の3つの体験プログラムを用意し、当日の状況に応じて設置する。
- 生ごみリサイクル実験の説明(毎月1度実施している)
合同市で実施している乾燥生ごみと野菜の交換事業を説明する。これは、市民が家庭で作った乾燥生ごみ(生ごみ乾燥機を使ってつくったもの)を回収して、野菜と交換する事業(乾燥生ごみ1kgに100円相当の生ごみ堆肥で栽培した野菜と交換する)で、生ごみが堆肥になることを実感させる。また交換場所に設置してある乾燥生ごみを使って、生ごみが乾燥していく様子を見学する。この過程で、生ごみが土になることイメージさせる。(土の意味を理解させる)
- 生ごみを堆肥にするしくみついて、ゲームを使って説明する(専門講師必要)
このプログラムは、生ごみが微生物の働きによって分解して土になっていくことゲームで理解する。このゲームは、仙台生ごみリサイクルネットワークが開発したもので小学生を生ごみ組と微生物組にわけて、微生物の活動によって生ごみが分解していく様子を理解させる。
- 生ゴミを堆肥にする実験を体験する(専門講師必要)
このプログラムは、ダンボールや牛乳パックを使って、生ごみが堆肥になる実際の様子を体験させる。
資料としては、仙台生ごみリサイクルネットワークの作成したパンフや仙台市リサイクル推進課の資料を使う。
生ゴミ体験キットは、堆肥の作り方の道具と、実際に堆肥ができる様子がわかるサンプル(時間の経過を示し、どのように生ごみが変化して堆肥(土)になるのかを示すもの)から構成されている。
生ごみが堆肥になる様子を示したパネル展示も有効な方法
○気づきの機会提供(生ごみの堆肥化体験)
| 番号 |
気づかせる内容 |
気づきの機会 |
事前準備 |
| 1 |
生ごみと堆肥とのつながり |
生ごみと野菜の交換事業(循環)の説明 |
循環を説明するパネル
・電気乾燥生ごみ機の用意 |
| 2 |
生ごみが微生物のはたらきによって堆肥になること |
ゲームによる説明講習会 |
資料の用意
講師の招聘 |
| 3 |
微生物がどのように堆肥をつくるのか?
堆肥の作り方 |
生ごみ堆肥体験教室 |
講師の招聘
・生ごみ体験キット
・パネル展示
・パンフ |
(5) 昼食(給食)
持参のおにぎりに汁物の給食:合同市では毎回、季節の料理を昼食時に提供している(餅つき、芋煮、トン汁、ぼたん汁(いのしし)など)。この季節の料理を給食として提供し、料理の季節感や材料、調理方法(合同市開催中に調理しているので子どもたちは調理プロセスを観察することができる)
※小学生には、事前に連絡して箸とおわんを持参するようにしておく。
(6) 農産物の販売体験・ヒアリング
小学生の人数と、当日のスケジュールに応じて次の2つのプログラムから選択。
1.ブースに分かれて販売体験を行なう。(1つのブースで最大5名)
※繁忙時間帯をさけて実施する。
生産者からの販売上の注意点についてガイダンスを受ける(声を出す。返事をする。お金の管理。おつりの確認。販売品目の特徴と値段)
売る側に立つことによって、消費者がどのような買い物行動をとるのか観察させる。
2.生産者ヒアリング
※事前にヒアリングに対応する生産者を指定しておく
買い物調査で疑問に思ったことを、生産者ヒアリングで解決する。
ヒアリングが十分できないグループもあるので、コーデイネイターが引率し、必要に応じてヒアリングを助ける。(質問項目は買い物調査で気づき項目)
(7) 学習のまとめ
クイズによる学習のまとめ、コーデイネイター、生産者、生ごみリサイクル専門家との質疑応答を行なう。事後学習としてのまとめは、講義形式よりクイズ形式の方が有効である(小学生は、4時間近くの活動で疲れてきているので)クイズの内容については、以前開発した『環境ビンゴ』や紙芝居方式のクイズなどが考えられる(クイズの開発は今後の課題。紙芝居については、一部完成している(低学年には有効)。最後にあいさつをして解散
3主催者の振り返り・今後への活かし方
- 運営方式のマニュアル化
今回は、9月(小学生6年)、10月(大学生)、11月(小学生4年)、12月(一般市民)の4回のプログラムを実施した。この実績を評価して、このプログラム実施に際して重要な運営マニュアルの作成が課題となっている。(マニュアルの事例集は今後の活動に有効)
- アンケート(感想文)の回収
活動毎にアンケート(感想文)やワークシートの回収を行なっているが、これらの感想文の結果を整理して分析することが課題である。
- ゲーム教材やクイズ教材の開発
生ごみの堆肥化についてのゲーム教材や事後学習のクイズ教材の開発が課題となっている(この点はアンケート分析によって、点検評価を行なう)
- 学年に応じたプログラム開発
今回は、プログラムの全体(小学生全般)のマニュアルを整理したが、今後小学生の学年別(中学年、高学年)プログラムの開発が課題となっている。
- テキストの政策(編集会議の開催)
今年の事業を総括する会議を開催し、活動を紹介するテキストを作成する
資料1 活動紹介パンフ
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○事前に配布される、活動内容のパンフレットの事例
これは、生ゴミが堆肥になり野菜になるつながりを図解したものである。
現在以下の点を説明したパンフレットを作成中
- 合同市の季節ごとの特色
- 生ゴミ堆肥の作り方についての説明
- クイズの一例
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資料2 ワークシート事例
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○当日使用するワークシートの一例
このワークシートは、一般用である。
小学生用も基本的には変わらない。
- 当日の店舗の配置図
(できれば、イラストで描いてほしい)
- 各店舗で販売している農作物の特徴を
まとめる。
- 生産者ヒアリングで聞いたことをまとめる。
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