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「森林へ行こう!〜「木の葉のイロハ」「落ち葉の123」〜」

実施団体:水魚方式研究会

1企画準備

(1) 場所の選定
 この活動マニュアルは、台原森林公園で実施するよう作成しましたが、樹木がある程度まとまって生育していて安全な場所なら、どこでも応用でき体験することができます。

(2) 時間の設定
 2種類のシートを使った2時間の活動マニュアルとして設定してありますが、短時間でも、また数回に分けても体験することが可能です。
 ワークシート「木の葉のいろいろビンゴ」と「こりゃ、まったく!おち葉のビンゴ」は、木の葉という共通項を持ちますが、内容的には、「木の葉」の方は樹木の識別能力の取得、「落ち葉」の方は生態系や水循環に果たす木の葉の役割を実感というように目的が異なるので、必ずしも同時に実施する必要はありません。冒頭のシート「(4)進行」の時間配分は、2種類のワークシートを2時間で実施した場合のものです。

(3) 安全の確保
  危険な場所の確認や、保険の加入を行います。

(4) 準備物
  1.指導者/主催者

  • ワークシート(「木の葉のいろいろ」と「木の葉のいろいろビンゴ」、また「落ち葉のいろいろ」と「こりゃ、まったく!おち葉のビンゴ」は、それぞれセットなので、セットにして人数分コピーします)、クリップボード(ワークシートをはさみます)、筆記用具
  • スコップ、ピンセット(掘った落ち葉をつまめるような幅広のピンセットや割り箸など)、ボード(掘った葉を上から順に並べていって見比べられるようなボード)、バケット(落ち葉の下から出てくる虫を入れて観察できる容器)、温度計(気温と落ち葉の下の温度を比較)、図鑑類、薄手の電話帳(使用法は後述しますが便利です)など。
  • さまざまな準備物で学習が豊かになりますが、荷物になるので活動内容に合わせて準備してください。

 2. 参加者
  戸外で活動できる服装、靴、帽子、飲み物など。

(5) 下調べ
 樹木についての知識に自信がない場合には、実施場所に生育している樹木のうち目立つもの(新芽がきれい、きれいな花が咲いている、紅葉がきれい、赤い実がなっているなど)の名前などを調べておくと、子どもたちとの会話が活発になります。台原森林公園では、50種余りの樹木に名前、特徴などを記したプレートが整備されています。ウルシなど、さわるとかぶれるような樹木については、生えている場所を確認しておきましょう。

 参考図鑑類

林 将之著『葉で見わける樹木』(小学館)は、木の葉の形状から樹木の名前を知ることができるので便利です。
片桐啓子文・金田洋一郎写真『樹木』(西東社)は、目立つ時期の樹木の様子をうまく捉えていて、使いやすい。
平野隆久写真 片桐啓子文の『調べて楽しむ葉っぱ博物館』『拾って楽しむ紅葉と落ち葉』『探して楽しむドングリと松ぼっくり』(山と渓谷社)は、実物と見間違うほど写真に迫力があります。

 森林インストラクターでも、すべての樹木名を把握できないくらい樹木の種類数は多いものです。その上、持参の図鑑類に掲載されている樹木数には限りがありますので、名前がわからない樹木が出てくることがあります。そんな時は、木の葉を、古い電話帳などにはさんで押し葉にしておくと、後でゆっくり調べることができます。

2プログラム実施

(1) 受付

  1. 参加者に名札とワークシートを渡します。
  2. トイレの場所を確認しておき、事前に行ってもらいます。

(2) ガイダンス

  1. アイスブレイク
    アイスブレイクを兼ねて、全員が自己紹介を行います。主催者は、打ちとけあいと結束が深まるように働きかけます。
    • まず主催者自身が、手本となるような自己紹介を行います。
    • 参加者には、好きな樹木を尋ねるなど、全員で話題を共有します。
  2. 確認・注意事項
    • 安全確認として、危険な動植物に対する注意と防虫対策、活動に適した服装であるかを確認します。
    • 活動マナーとして、自然保護のために採集の可否や歩行時の植物の踏みつけについて説明を行います。
  3. スケジュール
    • プログラムの流れについて、概要を説明します。

(3) 進行上の留意点

  1. 入門的な知識の伝達
     ここで必要なのは、学習対象を明確にすることです。観察スタート前に、学習対象が樹木であることをきちんと伝えてください。

  ○「木の葉のいろいろ」の場合

 樹木には根・幹・枝・葉・花・果実などの要素がありますが、その中の葉の形状に着目すると大きく8種類に分けることができます。ここでは一番多い普通の形状の葉を鋸(のこぎり)歯の有無により2つに分け、全部で9種類にしています。できれば事前にサンプルなどを用意して、分かりやすく伝えてください。(当会では、『木の葉のイロハ』という紙芝居を制作し、それによって伝えています。)
 樹木とは? と難しく定義するのではなく、その場にある樹木をモデルに、根・幹・枝・葉・花・果実などの要素を持ち、「人間のようには話さない」「動かない存在」など大雑把な認識を共有しておきます。
また、樹木ごとに、それらの要素のすべてが異なるわけですが、今回は、特に「葉」に注目して、その違いを見ていくことを話しておきます。

  ○「落ち葉のいろいろ」の場合

 落ち葉に実際に触れることを重視したプログラムなので、特別に伝えなければならない知識はわずかですが、「葉の寿命」については必ず伝えてください。(◇ビンゴの中の言葉〜「みっけもの」「なまけもの」の効果〜 参照)


  1. ワークシートの使い方の説明
      ワークシートは、例えば「木の葉のいろいろ」と「木の葉のいろいろビンゴ」はセットなので、その両方が見やすいようにクリップボードにはさみます。ビンゴの方のみはさんで、「いろいろ」の方はクリップボードの裏に折り返しておき、必要に応じてすぐ見ることができるようにしておくと、使いやすいでしょう。

  2. ビンゴ
     ビンゴは、必ずしも完成する必要はありません。ていねいに1本1本の樹木を見て歩いていると、思いがけず時間が経過するので、予定の時間が来ればそこで一応終了とします。
    空いたマスを完成したいという希望があれば、校内や家の周りの樹木などに関心を広げるチャンスなので、そうした樹木も対象にして完成するようにすすめましょう。

  3. 観察
     観察にあたって、さまざまな場面で効果的な気付きの機会を提供してあげます。

  ○落ち葉の循環への気付き

  「落ち葉のビンゴ」の中の「べとべと」「ぶよぶよ」などの表現は、堆積した落ち葉を掘ったときに現れる葉の状態を表現する言葉として取り入れてあります。参加者が落ち葉を掘り進めている際に、菌糸や虫がたくさんいること・掘り進むほど水分が増してくること・土に還ることなどを、「ホント、べたべただ!」などと感想をもらしたときは、参加者の言葉を復唱しながら、「そう。だんだん葉っぱの形がなくなってくるね」などと、気付きのポイントを押えてあげるといいでしょう。
 なお、落ち葉の下を掘るという作業にはスコップなどが必要ですが、山道で持ったまま歩くのは危険なので、掘る場所を事前に決めておき道具を準備しておくといいでしょう。

  ○落ち葉の居場所

  「木の葉のいろいろ」を実施中、落ちているごみを拾いながらごみ袋に入れていきます。また、「落ち葉の123」で、参加者が落ち葉の下を掘るのに熱中している間に、さりげなく、もう1枚のごみ袋に落ち葉を詰めて、2つのごみ袋を並べて置いておきます。
 そして、「落ち葉のビンゴ」終了後に、「ちょっと、これを見てください。落ち葉をごみ袋に入れてみました。こんな光景、どこかで見たことありませんか?」と参加者に声を掛けて、2つのごみ袋の存在に注意を促します。
 森林内の落ち葉は、徐々に土に還っていくところを実際に観察したばかりであるので、袋に入った落ち葉が異なる運命をたどるだろうことは、容易に理解してもらえるでしょう。ごみの入った袋はそのまま持ち帰りますが、落ち葉の袋は、中身をまた地面に戻すことによって、そここそが落ち葉の正当な居場所であることを感じてもらいます。

(4)参加者の振り返り
  参加者に次のような質問をして、体験を振り返りましょう。

  • 「今日、何か新しい発見がありましたか?」 → 例) 「あった!」
  • 「今日、出会った木の中で、一番好きになったのは?」 → 例) 「コブシ、オニグルミ、クヌギ、サクラとアカマツが絡み合った木」
  • 「木から落ちた葉には、まだ仕事があると思う?」 → 例) 「ある!」
  • 「落ち葉の上を歩いたときの気持ちは?」 → 例) 「がさごその音が面白かった。」「クッションの上を歩いているよう。」「葉っぱの入った布団に寝てみたい。」
3主催者の振り返り・今後への活かし方

 活動を振り返るために、参加者や保護者、主催者など様々な視点からフィードバックを行います。

(1) アンケートの実施

  1. 活動を知ったきっかけ
    ・参加者を募集した場合に、どのPR方法が有効だったか確認します。
  2. 活動時間や難易度
    ・参加者の年齢や学年に沿った活動であったか、確認します。
  3. 森林で体験してみたいことなど
    ・市民がどのような活動に興味を持っているのかを把握します。

(2) 主催者と活動補助者の振り返り
 アンケート結果や主催者の意見をもとに、評価を行います。活動の様子をビデオや写真で記録してあれば、それらを見直すことも有効です。

(3) 関係者全員への活動報告
 参加者や地区の方々、活動補助者など関係者全員に活動報告をします。報告の中には、活動時の写真や参加者の感想を掲載します。また、次回の活動予定について記載しても良いでしょう。

ワークシートの使い方

 ワークシートは、「木の葉」と「落ち葉」の2種類があります。
そして、「木の葉のいろいろ」と「木の葉のいろいろビンゴ」のワークシートがセットに、「落ち葉のいろいろ」と「こりゃ、まったく!おち葉のビンゴ」のワークシートがセットになっています。使い方はどちらのセットも同じで、ビンゴが楽しめるようになっています。

〈木の葉〉

  1. ワークシート「木の葉のいろいろ」には、木の葉を葉の形などから9種類に分類して、樹木名も示してあります。最初に、その種類ごとの1から9までの好きな番号を、ワークシート「木の葉のいろいろビンゴ」の小さいマスに書き入れてからスタートします。
  2. 歩きながら樹木の観察をします。自分が実際に観察した木の葉の番号を確認して、ワークシート「木の葉のいろいろビンゴ」に書き入れた番号に○印をつけます。
    その際に、大きなマスに樹木の名前を書き入れておきましょう。
  3. 縦・横・斜めのマスに一列に具体的な樹木の名前や○印が並ぶとビンゴで、1ポイントの得点となります。すべてのマスが埋まると8ポイントの得点となります。
    ポイントを争う競技ではありませんが、ビンゴのゲーム性を利用して学習を楽しく進めることができます。

〈落ち葉〉

  1. ワークシート「落ち葉のいろいろ」には、落ち葉の特徴から9種類に分類してあります。最初に、その種類ごとの1から9までの好きな番号を、ワークシート「こりゃ、まったく!おち葉のビンゴ」の小さいマスに書き入れてからスタートします。
  2. 歩きながら落ち葉の観察をします。自分が実際に観察した落ち葉の番号を確認して、ワークシート「こりゃ、まったく!おち葉のビンゴ」の大きいマスに○印をつけます。
  3. 縦・横・斜めのマスに一列に具体的な樹木の名前や○印が並ぶとビンゴで、1ポイントの得点となります。すべてのマスが埋まると8ポイントの得点となります。

ビンゴの中の言葉  〜「みっけもの」「なまけもの」の効果〜

○「みっけもの」
 木の葉には種類ごとの寿命があります。落葉樹では芽吹きから落葉までの寿命が1年未満ですが、針葉樹や常緑の広葉樹では1〜10年の寿命があります。中には30年を越えるようなものもあります。長寿命でめったに落ち葉にならないような樹木の落ち葉を「みっけもの」と表現しましたが、もちろん、「超ステキな木の葉」も「みっけもの」に分類して構いません。

○「なまけもの」
 木の葉が落葉するのは、葉っぱの根元に「離層」ができるからで、離層ができると風が吹かなくても落葉します。元の樹木から離れないで根元に落ちている葉を「なまけもの」と表現しましたが、その他の状態の落ち葉に対して「なまけもの」と感じたのであれば、それで構いません。



資料ワークシート「木の葉のいろいろ、落ち葉のいろいろ」(PDF 74KB)
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