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「ケヤキ大好き!探けん隊」

実施団体:ネイチャーヴォイス

1企画準備

(1) 活動を行うために

  1. 地域の方々と積極的に交流し、活動への理解と協力をいただきます。
  2. 里山に生育するケヤキの生態や、ケヤキと里山の暮らしのかかわりについて、野外調査
    や文献を通じて情報を収集し、地域の方々からもお話をうかがいます。
  3. 悪天候に伴う中止や延期の手順、代替えのアクティビティについても準備します。
  4. 分かりやすい実施要項や事前学習用ワークシートを作成し、地域の概況をわかりやすく
    表示した資料とともに、参加者・関係者に事前に配布します。
  5. 地域の方々にも広く声がけし、活動への参加を呼びかけます。
  6. 実施1週間ほど前に現地入りし、最終的な状況確認と打ち合わせを行います。地域の方々
    や活動支援者(サポーター)にも出席してもらいます。

(2) 安全の確保

  1. 活動域内の危険箇所や注意すべき動植物について、事前に確認します。
  2. 万一に備え、最寄りの医療機関を確認し、保険に加入します。
  3. 活動域近隣に、緊急用車両(自動車)を待機させます。

(3) 活動補助資料の作成

  1. あらかじめ地域の概況を示した資料と事前学習用ワークシートを作成し、参加者・関係
    者に活動以前に配布しておきます。
  2. 事前学習用ワークシートは、参加者の対象年齢にあわせて言葉や図の表現を工夫し、順
    序よく興味をもって学習に取り組むことができるように作成します。内容は、まずは参
    加者が科学的な視点でケヤキの特徴を捉えることができるよう、葉、樹皮、樹形(全体
    のシルエットや幹の太さ、樹高)について観察のポイントを順序よく配置します。この
    観察・記録を行うことで、野外で行う体験活動に生かせる技能(スケッチ、樹高の測定
    法など)も練習しておくことができます。また、ケヤキの生育していた場所や環境につ
    いても、観察と記録を行うようにします。次に、人の暮らしとケヤキの関わりをについ
    て、調べるヒントを与えます。参加者はケヤキが用材としての側面があることや、人と
    のかかわりについて予測することができ、里山での聞き取り調査へもつながります。
    (ワークシートについては平吹研究室WEB http://www.nature-voice.net/ で公開し
    ています。)
2プログラム実施

 本プログラムのねらいは、1) 仙台を象徴する「緑」として取り上げたケヤキについて、形態や生育状況、人とのかかわりを自ら科学的に探求し、そして発見や考えを他者に伝え、わかちあうこと、2) 「ケヤキ」や「緑」、「伝統的な暮らし」を大切にしている地域の人々の想いや生活の工夫に気づき、自らの日常生活をみつめなおすこと。です。以上のねらいを達成するために、以下に示す(1)〜(5)のアクティビティを構成しました。さらに、アクティビティのフィードバックにより、さらなる環境学習への意欲付けとすることが期待できます(付図1参照)。

(1) 事前学習

  1. 事前学習ワークシートの活用
    1. 事前学習ワークシートを使い、調べ学習を進めます。
      • 子どもの補助にあたる場合は、学習者の気づきを大切するとともに、記録の仕方を支援します。
      • ケヤキの特徴を、葉、樹皮、樹形の観察を通して知り、スケッチやこすりだしで記録します。また、観察したケヤキが生育する環境についても記録します。
      • ケヤキと人のかかわりについて、ヒントを参考にしながら調べ学習を行います。調べる方法などは、学習者の実態に応じて支援をします。
      • 事前学習を通して、体験活動に対する興味や期待感を高めます。
  2. 事前学習発表会
    教室などの室内で、スクリーンを用いながら事前学習発表会を行います。
    (1)受付
    1. 参加者に名札、ワークシート、色鉛筆、バインダーを配布し、所属するグループのサポーターを紹介します。
    2. 必要に応じて、写真やビデオの撮影、および画像の使用用途について具体的に説明し、肖像などの使用について承諾確認を行います。
    3. 参加者はグループごとに席に着き、発表に備え、事前学習のワークシートを準備しておきます。
    (2)ガイダンス
    1. 全体総括者(進行者)とサポーターの自己紹介をします。
      • 場を和ませるように、楽しく自己紹介を行います。
    2. スケジュールの紹介をします。
      • 活動の流れを説明します。
    (3)事前学習発表
    1. 発表者は前に出て自己紹介をします。
      • 進行者とサポーターは参加の動機や活動への抱負を問いかけるなど、発表しやすい雰囲気を作ります。
    2. 事前に調べてきた内容についての共有・分かち合いを行います。
      • 進行者とサポーターは声がけや発表を補助し、参加者が順序よく発表できるようにします。
      • メモ用紙を用意し、発表を聞いての気づきなどを書き留められるようにします。
      • 全員の発表後、参加者がケヤキをみつけた場所を比較できるように、仙台市(場合によっては宮城県)の地図を用意しておきます。また、樹高や幹の太さ、生育環境などの情報も、模造紙などに大きく記入して全体へ掲示します。
      • 参加者の事前学習をもとに、ケヤキの特徴をまとめたり、ケヤキが身近にある樹木であることを確認したりします。
    (4)事前発表会終了
    1. 進行者は、里山を探けんへの意欲を高める声がけをします。
    2. 野外に出かける前に、トイレを済ませてから活動場所に移動します。
  3. 体験活動
    (1)準備
    1. グループごとにサポーターから色鉛筆や蚊取り線香、ルーペなどを受け取り、活動する準備を行います。
      • サポーターは参加者を見回し、安全な服装(長袖、長ズボン、帽子などを着用)であるか確認をします。
    (2)地域の方を紹介
    1. 参加者と地域の方の交流がスムーズに行われるように、進行者が橋渡し役となって紹介を行います。
      • 昔から里山で生活されている地域の方を「里山はかせ」と紹介し、参加者が親しみを持って積極的にかかわることができるように配慮します。
    (3)確認・注意事項の紹介
    1. 安全対策として、グループごとに行動することを約束し、危険な動植物に対する注意を促します。
    2. 自然保護のために、採集の可否や探査・観察時の留意事項について説明します。
    3. 活動マナーとして、私有地や耕作地に対する配慮を確認します。
  4. 活動
    1. 活動場所まで、「里山はかせ」から森の概況などについてお話しをいただきながら移動します。
    2. 活動場所に到着後、グループごとにケヤキを探します。
      • サポーターは、参加者の自主性を重んじながらも、安全に留意して活動の補助を行います。また、事前学習の成果が生かされるように問いかけを交え、参加者とともに探けん隊になったつもりで楽しく活動します。
      • ケヤキを見つけたら、事前学習で調べた特徴と照らし合わせながら、ケヤキであると思われる証拠について、ワークシートに記録したり写真を撮ったりします。
      • 「里山はかせ」に、証拠資料からみつけた樹木がケヤキであるか判定してもらいます。また、その木にまつわる由来やお話しなどがあれば、していただきます。
      • サポーターは参加者の観察に対して、「身近にあるケヤキと比べて、樹皮や樹形はどう違っているか」「根本のようすや周囲の様子はどうか」など、より深い観察や考察に繋がる声がけをします。
      • ケヤキが見つからない場合は、「里山はかせ」にヒントをもらいながら進めます。
    3. ケヤキを探しながら、周りの環境にも目を向けます。
      • ケヤキの他にも、地形や土壌の様子など興味をもったものは、ワークシートに記録したり、「里山はかせ」に質問したりします。
      • 活動場所には炭焼き跡や、暮らしに役に立つ植物(有用植物)が多くあります。サポーターは、参加者の様子を把握しながら、無理のない範囲で紹介をしたり、「里山はかせ」に話を促したりします。
    4. 探けん活動を終了します。
      • サポーターは、参加者が全員揃っているか確認をして、集合場所に向かいます。
      • 集合場所に到着したら、参加者の怪我や体調を確認しながら、配布した活動の用具を回収します。
  5. 昼食
    1. 地域の方のお宅で、全員で昼食を取ります。
      • 活動の様子をふりかえりながら、参加者、地域の方、サポーターの交流を深めます。

(4) 学習のまとめ

  1. 活動のふりかえり
    1. 参加者が記録したワークシートをもとに、見つけたケヤキについて特徴をまとめます。
      • サポーターは発表がスムーズに行われるように、参加者がとった記録の整理を手伝います。
  2. 活動の発表
    1. グループごとに、見つけたケヤキについて発表します。
      • スケッチや落ち葉、写真などでケヤキと特定した証拠を紹介し、その後、樹高や太さ、樹形の特徴などについても発表します。
      • 進行役とサポーターは、発表がスムーズに進むよう、参加者を支援します。
    2. 事前学習会で見つけたケヤキと、体験活動で見つけたケヤキの違いを比較します。
      • 事前学習発表会でまとめた一覧表を、再び提示します。
      • 参加者は、比較して気づいたことを発表します。
      • 進行役は発言を拾いながら、里山に見られる天然生のケヤキの特徴をまとめていきます。
    3. 身近にあるケヤキと、里山にあるケヤキの違いについて、理由を推察します。
      • 株立ちの意味などは、「里山はかせ」から里山のくらしと結び付けてお話をいただきます。
  3. ケヤキの利活用を観察
    1. 「里山はかせ」のお屋敷を訪問し、実際に利用されているケヤキ製品を見学します。
      • ケヤキは丈夫であり、木目が美しいという理由から「臼」、「神棚」、「玄関の上がり板」などに利用されています。それぞれが、いつ、どのように切り出して加工したかなど、お話を伺います。
    2. ケヤキ以外にも、お屋敷には多くの木材が利用されていることを紹介します。
      • サポーターは、その他の樹木についても、用材や材料として暮らしに利用されているものがないか、参加者の気づきを促す発問をします。また、これらについても「里山はかせ」からお話を伺います。
  4. まとめ
    1. まとめのワークシートを使用し、活動を締めくくります。
      • ケヤキは街路樹としての役割だけではなく、昔から日常生活の中で燃料や生活用品として生活を支えてきたことについて、活動を振り返りながらまとめます。
    2. 自分たちの生活が、多くの緑にささえられていることに気づきます。
      • 私たちが多くの「緑」に支えられながら生活していることに気づき、「緑」の大切さを感じます。
    3. 「里山はかせ」から、活動の総評をいただきます。
  5. 終了・解散
    ・進行者が参加者、地域の方々にお礼の言葉を述べ、活動を終了します。

(5) 学習のふりかえり

  1. 活動の経験を通して、自分の身の回りにある「緑」について見つめ直します。
    • 様々な視点(科学的、歴史的、社会的、芸術的など)から「緑」を見ることで、「緑」のもたらす恩恵を自分の生活の中に見出し、「緑」の重要性を再確認します。
3主催者のふりかえり・今後への活かし方

 一般参加者と地域の方々から評価をいただき、主催者自身(サポーターを含む)のふりかえりと合わせて検討し、活動全般にわたる改善を図ります。

  1. 一般参加者へのアンケート
    1. 活動終了直後に、一般参加者全員にアンケートへの協力をお願いします。
    2. アンケートには、主催者が懸念する事項についてダイレクトにたずねる項目記述式の部分と、絵や図表など多様な表現を用いて意見や感想、要望を表現していただく自由記述式の部分を盛り込みます。
  2. 地域の方々へのお礼とヒアリング
    1. 原則として活動域の原状復帰を終えた後、地域の方々にお礼を述べます。
    2. 機会をとらえて、できるだけ多くの方々から意見や感想、要望をうかがいます。
  3. 主催者自身のふりかえり
    1. 活動終了後、早期に会合をもち、主催者としての自己評価を行います。その際、活動状況を記録したビデオや写真も活用します。
    2. 一般参加者や地域の方々から寄せられた意見や感想、要望を整理し、主催者の自己評価と合わせて検討し、活動全般にわたる改善を行います。
  4. 関係者への最終報告
    1. 一般参加者や地域の方々、サポーターをはじめ関係者全員に、活動の最終報告を文書でお知らせします。その際、活動時のスナップ写真なども同封します。
4追加プログラム(発展的な活動)

 さらに里山の自然や暮らしについて理解を深めるため、農作業として稲刈りを、年中行事として餅つきを取り上げ、2つのプログラムをオプションとして追加しました。なお、稲刈りや餅つきについては、小学校第3学年及び第4学年の社会科で学習する「地域の人々の生活」において、さらに、第5学年では「生活と食料生産」において、大いに関連があります。また、地域の伝統的な料理を食べるということから、食育の面においても意味をもつプログラムであるといえます。追加プログラムは、実施する時期や参加者の発達段階にあわせて、変更・応用が可能です。

  1. 稲刈り
    (1)企画・準備
    1. 稲穂の様子や、天候に左右されるため、稲刈りの日程を地域の方と念入りに打ち合わせをします。
    2. 参加を呼びかけ、案内を送付します。
      ・雨天の場合は翌日に延期、もしくは中止とします。

  2. (2) 活動開始
    1. 全員で自己紹介を行い、地域の方々を稲刈り先生として紹介します。
    2. 服装を確認したあと、全員に鎌を配ります。
      ・小さい子どもについては、保護者の監督のもとで使用することを確認します。
    3. 稲刈り先生から、稲の刈り方とはせ掛けの仕方を教えてもらいます。
      ・稲は機械を使わずに手で刈り、はせ掛けを行い2週間程度天日干しにします。
    (3)昼食
    1. 昔、稲刈りの時に食べたというお赤飯と、地域の食材で作った芋の子汁を全員で食べます。
    2. 質問タイムをつくります。
      • 「刈ったお米は何Kg位か」「何日位干すのか」などの質問に、稲刈り先生が答えます。
    3. 希望者にはお屋敷の周辺を案内しながら散策し、初秋の自然を楽しみます。
    (4)終了・解散
    1. 全員で環になり、感想を話します。
    2. 今後の活動予定を宣伝します。
    3. 進行者が参加者、地域の方々にお礼を述べ、活動を終了させます。
  3. 餅つき
    (1)企画・準備
    1. 日程や準備について地域の方と念入りに打ち合わせをします。
    2. 参加を呼びかけ、案内を送付します。
    3. 地域の方に作り方を教わりながら、サポーターはお雑煮やあんこ、餅米などの準備を行います。
    (2)活動開始
    1. 全員で自己紹介を行い、地域の方々も紹介します。
    2. 進行者が、臼と杵やモチ米について、これまでの活動の経緯とともに説明します。
      • 臼は裏山のケヤキから、杵はサクラ、餅米は手で刈ったことを説明し、プログラムの関連について話します。
    3. 地域の方に見本を見せてもらいながら、餅つきを始めます。
    4. つき上がった餅は、お雑煮、あんこ、きなこ、大根おろしなどと合わせて、全員で自由にいただきます。
      • 進行者は地域の食材や地域の味であることを説明します。
      • お正月にまつわるお話を地域の方から聞いたり、談話したりしながら時間を過ごします。
  4. 終了・解散
    1. 全員で環になり、感想を話します。
    2. 進行者が参加者、地域の方々にお礼を述べ、活動を終了させます。
付図1 プログラムの概要


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