「バケツ稲づくり学習で”食”と”農”を考えよう!!!」
作成団体:NPO法人 環境保全米ネットワーク
(1)ねらい
「バケツ稲づくり学習で“食”と“農”を考えよう!!!」プログラムは、バケツ稲づくりを楽しく実践しながら、お米の生産を体験するだけではなく、農業や農家、食料、自然・環境がどのようにつながっているのかを、総合的に学習することのできる機会になることを目指しています。
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(2)内容
- バケツ稲づくりを通して「米」の栽培プロセスの理解
- バケツ稲づくりを通して米づくりにおける土・水・光の役割に気づく
- 実際の生産地域に出向いたり、水田での米づくりも体験することで、農家の人々の暮らしや水田や畑の周りの自然環境の関わりについて目を向ける
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(3)場所
各学校の中で取り組めます。 |
(4)参加者
対象: 小学校第5年生以上
人数: 制限なし(各学校単位で取り組めます。) |
(5)進行(年間計画)
小学校で取り組む場合には、「総合的な学習の時間」を用いて取り組むことができます。
| 4月 |
年間カリキュラムの作成 |
| 5月 |
たねもみの芽出し・代かき・田植え |
| 6月 |
稲の観察(観察ノートに書き込もう) |
| 7月 |
水の管理(比較実験をしてみよう) |
| 8月 |
花の観察(花や生き物を観察しよう) |
| 9月 |
稲刈り(作ったお米を数えてみよう) |
| 10月 |
脱穀・もみすり・精米
(作ったお米を実際に食べてみよう) |
| 11月 |
1年間のまとめ学習・発表会 |
※農家の出前講座、生産地域の校外学習についてはページをご覧ください
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(6)準備(事前学習・運営体制
の確認・準備物)
- 年間カリキュラムの作成
(1)カリキュラム目標の設定
(2)支援体制の確立
(地元の農家・農協など)
- 教材の準備
(1)バケツ
(2)土
(3)たねもみ
(4)肥料など
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〜はじめに〜 このプログラムが目指すもの
毎日口にしている「お米」。このお米は、どんな場所で、どのように作られているのか考えたことはありますか?お米は、言うまでもなく、水や土、太陽の光といった自然環境の恵みを受けながら、農家の人の手によって作られています。
この「バケツ稲づくり学習で”食”と”農”を考えよう!!!」プログラムは、バケツ稲づくりを楽しく実践しながら、お米の生産を体験するだけではなく、農業や農家、食料、自然・環境がどのようにつながっているのかを、総合的に学習することのできる機会になることを目指しています。
1バケツ稲づくり学習の進め方
- カリキュラムを作りましょう。
対象は小学校5年生以上が望ましいでしょう。バケツ稲づくりは、4・5月頃から10月頃までの半年間で実践することができます。多くの小学校では「総合的な学習の時間」を基本に実践しています。理科や社会といった各教科との横断的なリンクも可能です。
【カリキュラム内容の留意点】- 単なる米づくり学習とならないために、農業・農家・食べ物・田んぼの生き物・地域とのかかわりなどに目を向けられる学習機会を取り入れます。
(例:農家の“出前講義”や校外学習、田んぼの生き物観察などを取り入れましょう)
- そのためにも、地域の農家や地元の農協などに積極的に協力を要請しましょう。
- 実際の田んぼとバケツ稲の生育状況の比較や、農家の農作業の観察のためにも、地域の農作業と時期的な違いがないようにする必要があります。そのためにも、早目にカリキュラム作成や準備が大事になってきます。
- 教材の準備(種もみ・バケツ・土・肥料・スズメ対策ネットなど)
- 種もみや肥料は、学校独自に準備すると大変なので、宮城県農協中央会や地元の農協に相談すると「バケツ稲セット」(種子、肥料、マニュアル)を提供してもらえます。
- バケツは、15〜20リットルの容量のものを準備しましょう。個人管理ではなく、グループで管理する場合は、プラスチックの衣装箱でもかまいません(深さ30cm程度)。
- 土は、できるだけ地域の農家に依頼し提供を受けると良いでしょう。田んぼの土は、細かく砕き、よく乾かし、小石や稲株などを除いておきます。
もし田んぼの土の入手が不可能であれば、ホームセンターなどで黒土・赤玉・鹿沼土などを購入し混ぜて使います。
- スズメの被害を防ぐ対策ネットが、種まき直後と秋の収穫前に必要です。
2プログラムの実施 稲の生育にあわせて、バケツ稲づくりをすすめます
- 芽出し
- シャーレやイチゴのパックなどに水を入れ、種もみを浸します。水は毎日入れ替え、暖かい場所において置きます。1週間程度で芽が出ますから、よく観察をしましょう。
- 芽が1ミリほどに伸びたら種まきをします。芽を伸ばし過ぎないようにしてください。
- 苗床の準備と種まき
- よく乾かし、細かく砕いた土をバケツ8分目ほど入れます。(水を張る必要がありますから、バケツいっぱいに土を入れないでください)
- バケツの土に肥料を入れ、十分かき混ぜて、表面を平らにしておきます。
- バケツの土に水を含ませ、芽出した種もみをまきます。種もみは、スズメなどの鳥に食べられないよう、指で土の中(指の第一関節ぐらい)に埋めます。
- スズメ対策としては、みかんを入れるネットを広げてバケツの口にかぶせるのも良いでしょう。
- バケツは、校舎などの日陰にならないよく日のあたる場所に置きましょう。日陰になると、生育が遅れてしまいます。また、5月中旬には遅霜もありますので、低温には注意が必要です。
- 苗の移しかえと水管理
- 種まき後、5日ほどたつと葉が増えてきます。葉が3〜4枚に増えたら苗をぬきとり、2〜3本まとめてバケツの中心に植えかえましょう。すべての苗を植えたままだと、肥料の栄養が行きわたらず、生長しません。
- 苗の植えかえし後は、バケツの水を絶やさないように注意しましょう。
- 稲の草丈が40〜50センチに生長した7月上中旬くらいに、中干し(水を捨て土を乾燥させる)を実施しましょう。
- 中干しの後は、また十分な水を与えます。
- 生育観察
- 稲の草丈や茎の数(分けつ)を定期的に観察しよう。
- 田んぼの土を使うと雑草も生えてくるので草取りもしよう。
- 稲の穂が出てくるところや稲の花を観察しよう。
- 実際の田んぼからおたまじゃくし(5〜6月)やヤゴ(6〜7月)を捕まえ、バケツに放しておくと、カエルの成長やトンボの羽化を観察できます。
- 秋の作業(稲刈、乾燥、脱穀、もみすり、精米)
- お米が実り稲の穂がたれてくるとスズメが実を食べにきますので、ネットなどで稲を覆います。
- 稲の穂の元が黄色く枯れかかり、もみが硬くなったら稲刈をおこないます。
- 刈った稲は、十分乾燥をさせますが、ここでもスズメの対策が必要です。
- 脱穀作業は、少量であれば、自分たちで割り箸などを用いて行いましょう。
まとまった量があれば、東北農政局に小型の千把こきや唐箕(とうみ)、もみすり機がありますので協力を要請しましょう。
3より効果的なプログラムにするために
学校の中でのバケツ稲プログラムを、単なる米づくり学習に終わらせず、実際の生産現場に目を向けたり、「食」と「農」のつながりをより理解するために、農家の人のお話や、生産地域の校外学習、1年間のバケツ稲づくり学習発表会などを実施しましょう。
※農家の出前講座、校外学習については、環境保全米ネットワークがご相談に応じます。
(1)地元の農家の人に話を聞こう!
バケツ稲での米づくりでは、実際の生産現場である水田での米づくりに目を向けることがなかなか難しいため、農家の人を学校によんでお話を聞きましょう。生産の喜びや大変さなどについてもいろいろお話を聞くことができるでしょう。
【実践例】
仙台市立高森東小学校の5年生の実践では、田尻町通木地区の農家、佐々木陽悦さんの“出前講義”を行いました。佐々木さんは、農薬や除草剤を減らす環境保全型農業に取り組むことで、田んぼに赤とんぼや貝えびなどたくさんの生き物が戻ってきたとお話をしてくれました。また、実際の田んぼの生き物を持ってきていただき、実際に手にしたり、観察しました。 |
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(2)校外学習で地元の農家や農業を見学しましょう!
実際の生産現場を見ることで、米づくりだけでなく、周りの自然環境や、農家の人々の暮らしなどにも目を向けるようにしましょう。
- 事前学習を行いましょう ― バケツと田んぼの違いについて考えよう! ―
校外学習に出かける前には、事前学習を実施します。
バケツ稲に春から取り組んできた子どもたちに、バケツで自分たちが育てた稲と、田んぼで育った稲にどのような違いがあるのか、稲の「穂」、「もみ数」、「草丈」などを実際にはかることで、考える機会を与えましょう。田んぼとバケツの米づくりを比較し、その違いがどのような条件の違いから生じるのか予測をしてみましょう。
事前学習の中で、農業についての質問事項をまとめ、校外学習の中で農家の人に質問しましょう。
- 校外学習の実践
実際の田んぼに足を運ぶことで、次の点に気がつけるよう工夫しましょう。
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農村部が、「食」や「生き物」の宝庫であること
農家の人々の自宅周辺のいぐねや、畑の観察、水田や水路の観察によって、たくさんの食べ物が育てられていることや、たくさんの生き物が共存していることに気がつきます。
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環境を守る農業の取り組みを調べる
農薬や化学肥料をへらすなど環境にやさしい農業の取り組みを調べましょう。
環境にやさしい農業の結果、田んぼに生き物が還ってきていることなども、観察によって確認しましょう。
- 農村部の人々のつながり
田んぼで稲刈りをしている生産者、地域のライスセンターで乾燥・もみすり作業を行う農家のお話を聞く中で、農家の共同作業や施設・機械の共同利用の実態を調べ、なぜ共同が必要かを学習しましょう。
【実践例】 2005年度実施した校外学習の例 (場所:田尻町通木地区)
| 時間 |
行程内容 |
具体的内容 |
10:00
10:10
12:15 |
田尻通木地区到着
佐々木さんのお話
佐々木さんの家の周りを観察
郷土資料館見学
団子山平和公園
養豚農家
堆肥センター
ライスセンター
田んぼ・水路
その後、加護坊山で昼食 |
(地域の紹介や注意事項)
(いぐね・畑・栗拾いなど)
(昔の農具を観察など)
(田尻町通木地区を眺める)
(見学・ヒアリング)
(見学・ヒアリング)
(見学・ヒアリング)
(稲刈りや生き物の観察) |
- 年間の米づくりを振り返ってまとめ学習発表会を実施しましょう!
1年間のバケツ稲づくり学習の振り返りも含め、学習発表会を実施しましょう。米づくりだけでなく、世界の食糧問題や、食料自給率、田んぼの生き物、お米の栄養や料理などに目を向けることができます。
(協力要請先)
仙台農業協同組合 仙台市宮城野区榴ヶ岡1丁目2-45 TEL022-297-5511
宮城県農協中央会 仙台市青葉区上杉1丁目2-16 TEL022-264-8245
東北農政局 仙台市青葉区本町3丁目3-1 TEL022-263-1111
資料
「バケツ稲の栽培学習過程と子どもたちへの気づきの手立て」(PDF 89KB)